「探偵の探偵」と「夜道の尾行」

探偵というとある種、あこがれを持っている人もいるかもしれません。

しかし、現実の探偵はそれほど甘くないのです。

そんな探偵の裏話を抜粋してみました。

探偵の探偵

以前、松岡圭祐氏による推理小説として、脚光を浴びた女性探偵が主人公の探偵小説でテレビでもドラマ化されていた。

小説の中では探偵が悪徳探偵の実態を暴き、制裁していくといったストーリーではあるが、現実的にはそんなことはまったくと言ってありえない。

第一、依頼人もなく、他人又は法人に対して勝手に尾行などの調査をすることは探偵業法で禁止されている。

しかも違法な調査ばかりがさも探偵の現状みたいに書かれていたり、放映されていた。

完全にフィクションの世界であるが、探偵業界についてよく取材はしていたと思う。

実際、探偵が探偵を調査する事はあるのかというと、依頼人が退社後、得体の知れない人物から尾行されているということからその人物を尾行して特定した経験がある。

調査してみると実際に探偵らしき人物2人に尾行されていた。

素人という感じはなく、完全に玄人の尾行であり、すぐに同業者の探偵だと察した。

依頼人が家に帰宅後、多分、その日の調査が終わったのであろう。

1人の探偵らしき人物をマークすると探偵はそのまま帰宅。

翌日、朝から張り込むと昼前に外出、ある老舗の探偵事務所に入っていったのである。

探偵である事は確実となったので依頼人に報告すると、誰に依頼されたかを突き止めて欲しいとの事。

まずその探偵事務所に行っても依頼人について教えてくれる事は絶対にない。

余程の悪徳な探偵事務所以外、守秘義務を背負っているからである。

それと買収にも応じはしないだろう。

一応、その老舗の探偵事務所の代表とは面識もあるのだが、正規の探偵事務所で当然、協力はしてくれないと思われる。

逆の立場であっても私も絶対に教えないだろう。

依頼人には説得するもそれでもダメ元でかまわないから聞いて欲しいと懇願してくる。

しょうがなく、依頼人とともに訪問するも返答は当然の結果である。

むしろ「貴方の会社は教えますか?」と逆に問い質され、ぐうの音も出ない。

赤面して帰る羽目に。

依頼人は納得され調査は終了したのであるが、多分、こちらの探偵に尾行された探偵はかなり叱責されたかと思うと気の毒でならない。

いつ逆の立場になるかもしれないので、調査が終わった後も背後に気を配りながら帰宅しなくてはならないとは因果な商売である。

夜道の尾行

尾行調査では深夜、歩きの尾行調査をすることもたくさんある。

対象者が若い女性であると困った事も出てくる。

以前、ある若い女性を深夜尾行した。

ある既婚男性の浮気相手の女性で、ラブホテルで数時間過ごした後に出てきて別れたので対象者を女性に切り替え、尾行を継続した。

これは浮気相手の住所を特定(身元特定)するためであったのであるが、当時、女性探偵の参加はなく、男性2人のチームで尾行をした。

最終電車近くで移動、多分自宅の最寄り駅で下車、帰宅を急いでいたのか早歩きで歩いている。

こちらも必然と早歩きとなる。

どうしても自宅だけは突き止めたい。

あまり距離をとると入る家屋すら分からなくなってしまう場合もある。

路地に入り、人通りがなくなり、歩いているのは女性と男性探偵2人という状況。

男性探偵は別々に尾行しているもののそれぞれ早歩きはおかしいと言わざるを得ない。

しばらくすると女性の様子がおかしい。

明らかにうしろを警戒している様子が伺われる。

すると突然走り始めた。

こうなるともうお手上げである。

ここで走って追跡すると完全に尾行がばれてしまう。

こんな時こそ女性探偵が1人でもいると助かるのであるが、尾行を断念するしかなかった。

調査を中止して2人で下車した駅方面に向かって歩いていると、赤色灯をつけたパトカーがサイレンを鳴らさず、見逃した方面に向かっていくのを確認、多分、自宅か途中で警察に通報したと思われる。

「痴漢か変質者に追っかけられた」と。

後日、依頼人の情報から勤務先の部下である可能性が高く、勤務先を張り込むとその女性が出てきた。

男性と会わずにまっすぐ帰宅路線に最寄り駅へ。

以前と時間も早いこともあり、更に今回は女性探偵に参加して貰ったので難なく自宅を特定、しっかり名前も特定できたのであった。

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