探偵の違法性のある裏話を公開
探偵の調査には違法とされる法規制もいろいろとあります。
普段は調査をしている段階で犯罪を目撃したりした場合、警察にも市民レベルで協力したりすることもありますが時には目の敵にされるようなこともあるのです。
そんな裏話をお聞かせしましょう。
職務質問
探偵という職業に就いていると絶対に経験するのは警察官による職務質問。
特に張り込みをしている際など、職務質問の経験がないという探偵は新人以外まずいないと言っても過言ではないのである。
巡回中に声をかけられる一般的なケースと近隣から110番通報されて警察官が駆けつけてくるケースの2通りである。
立ち張りにしろ車での張り込みにしろ、いずれも張り込んでいる場合に職務質問される事はけっこう多いのである。
巡回中に職務質問されるケースでは車での張り込みしている時が多い。
特に大臣や著名人の自宅や施設などの周辺巡回強化地域となっている場所での張り込みは特に多い。
一応、時間によって張り込み場所を移動はするのであるが、ロケーションによっては殆ど一カ所から動けず、移動できない場合もある。
そうなると車両に乗った人物が数時間ずっといるのである。真夏でも真冬でもエンジンをかけずに車両の中にいる人については怪しくない訳がない。
自転車にしろパトカーにしろ職務質問は厄介である。
110番通報での職務質問かを聞いて、通報ではないと分かれば探偵の身分を提示して張り込み中であると告げることにしている。
探偵の届出番号と管轄警察署名を言い、身分証明書を提示すれば簡単に終わって引き下がってくれる事も多い。
荷物や車内検索などもなく、素早く終わるのである。
ただし「業務なのは判るが移動して欲しい」と言われるのがだいたい多いパターンである。
逆らってもしょうがないのでいったんは移動するがまた戻って張り込みを続ける。
110番通報による職務質問であると早々身分を明かす訳にはいかない。
職務質問した結果を通報者へ連絡してしまう場合があるかもしれないのである。
もし口止めしたとしても「探偵の張り込みでした」のでと言われた場合、興味を持たれる事が多く、どこを見張っているかも推察される場合がある。
こういった場合は持ち物から車内検索など全てに協力して職務質問を早く終わられなければならない。
これは立っての張り込みでも同じである。
住宅密集地などでは近隣に怪しまれる事も多く、様々な物騒な事件も多発している昨今では通報者が増えているのも事実である。
職務質問されている最中に対象者が出てきてしまったら身分も明かし、警察官の制止も振り切り、探偵1人ででも尾行していくしかないのである。
それにしても警察官の仕事とはいえ、職務質問は目立ってしょうがないので素早く対応してもらうしかないのだが張り込み業務には邪魔としか言いようがない。
違法調査
実際、探偵が調査する行為が法律に違反する場合がいろいろとあるのは知っていますか。
えっ、そんな事が違法となるの?と思う内容を探偵の愚痴として裏話としてお話ししましょう。
ある大学教授の奥様から浮気調査の依頼があり、早々に尾行調査を実施をした。
大学教授の勤務先である広い大学敷地内にある研究室のある棟で張り込みを開始。
すると張り込みから1時間後に講義の終わった大学教授が出てきた。
探偵は尾行を開始。
家とは反対方向に向かう電車に乗り、ある繁華街に行った。
そして喫茶店で若い女性と合流。
親密な様子からただならぬ関係と感じられていた。
そんな様子も隠し撮りで撮影する。
喫茶店から出てきた2人は近くの洒落たレストランで食事をして1時間半ほどで出てきて、そのままあるマンションに入って行ったのである。
探偵はオートロックであったが強引にも一緒に入り、同じ住民を装い、軽く挨拶をしてエレベーターにも同乗、2人が押した6階より上の8階を押して上へ行く。
そして2人は6階で降りていく。
閉まり掛けのエレベーターの開くボタンを押し、2人の後を追うと部屋が特定出来たのである。
どうやら若い女性の居住先であるらしい。
部屋の出入口は向かいのマンションの非常階段からはよく見える位置にあった。
そして探偵は向かいのマンションの非常階段に移動し待つこと3時間。
大学教授が女性に見送られて出てきたのである。
その写真などを撮影し大学教授が帰路についたのを確認しその日の調査は打ち切ったのである。
依頼人である奥様は浮気の証拠がある程度取れたと思っているに違いない。
外泊していないから証拠としてはまだ弱いのであるがそれでもこの日は十分な収穫であった。
さあ、ここで問題なのだが探偵はいくつ違法行為をしたでしょう。
まず浮気相手のオートロックのマンションに一緒に入った事は誰もが思いつく違法行為でしょう。
そうです。
完全に家宅侵入罪が適用されてしまいます。
2人が待ち合わせしていた喫茶店やレストランの出入りを隠し撮りしたこと?
いや、浮気調査の依頼があり、撮影したことであるため、この隠し撮りは違法性はありません。
そうです。
女性の部屋から出てくる時の撮影場所である向かいのマンションの非常階段に忍び込んでいたこと。
これも家宅侵入罪となり違法行為なのです。
この探偵は2つも違法行為をしていたのかと、いやいや、まだあります。
調査開始時の大学敷地内の研究室棟前での張り込みです。
大学敷地内は私有地となります。
ある程度、誰でも出入りは自由に見え、一般人も多く出入りしていたり、近所の住人などは通り抜けしたりする人もいる位です。
しかし、本来は許可なく敷地内に入る事は違法行為であり、大学全体の出入口で張り込まなければならない。
大学の中には何カ所も出入口があるところも多く、またバス停のある大学もあり、全て張り込むとなると大人数で調査をしなくてはならなくなる。
しかも必ず歩いて出てきくれるとは限らない。
バスに乗られたり、助手や同僚の車に乗って出てくる事もあるのである。
この単純な浮気調査1日だけでも最低3回の違法行為をしている事となる。
しかも法律的に言われると似たような家宅侵入という違法行為を3回も繰り替えし実行していたとなると悪質極まりない。
またこの女性の名前を特定するのにマンションのメールボックスを何度か確認しに行かなければならない。
当然、この行為も違法行為である。
マンションの場合、エントランスどころか敷地内に入ること自体、違法行為なのである。
この浮気調査で何度の違法行為を繰り返すこととなるのだろうか。
ただ探偵にしてみれば依頼人の気持ちを考え、証拠を押さえる為に一生懸命に調査しただけの事である。
実際に大学の敷地外で張り込んだために見逃してしまうことが多く、更にマンションの部屋が特定出来ず、証拠の写真も撮影出来なかったとなると探偵に依頼した意味がないと依頼人は激怒してしまうことだろう。
こういった違法行為をしなければ浮気調査などの素行調査の場合、確実な証拠も取れない事も多々あるのである。
世間的にはこの様な違法行為を日常的にする業種は他になにがあるだろうか。
まずすぐには思いあたらない。
また違法になるかは微妙ではあるが時として偽装名刺で身分を詐称し内偵を行うこともある。
内偵においては個人情報保護法の観点からさまざまな情報の入手が難しくなってきている。
以前、陸運事務所に行けば簡単に確認できた車両ナンバー照会も現在ではかなり難しくなってしまっている。
それにしても調査業務がやりづらくなったものである。