「浮気調査が招く青天の霹靂」

浮気と青天の霹靂

「青天の霹靂」という言葉がテレビのクイズバラエティー番組の問題に出題されていた。

※青天の霹靂とは
青く晴れ渡った空に突然激しい雷鳴が起こることから、予期しない突発的な事件が起こることをいう。
陸游の詩『九月四日鶏未だ鳴かず起きて作る』に「青天に霹靂を飛ばす」とあるのに基づく。
「霹靂」とは激しい雷鳴のことで、筆勢の激しさを表して言ったことば。

雲一つ無い青空に落ちる稲妻という変わった状況の例え話である。

大事件や予期せぬ出来事の例えとする使用が多い故事で、探偵である私にとっては日常の中で舞い込む依頼の中に突如大事件に関わる調査案件の依頼などが当てはまる。

探偵に調査される被調査人(調査対象者)にしてみれば、探偵がもたらす密かな調査により発生する状況が晴天の霹靂といえるかもしれない。

長年にわたり時間を共にしてきたご夫婦間で浮気疑惑が生まれ、真面目で家庭思いな御主人を浮気調査することとなる。

平日5日間の調査を行った結果は「真面目で裏表のない好人物そのもの」である御主人の行動であり浮気の「う」の字も見当たらない調査結果である。

しかし、その調査結果に納得がいかない奥様が「追加で週末に調査をしたい」との要望から平日以外の週末に趣味であるゴルフの日時に合わせた浮気調査を追加依頼する。

おしどり夫婦の青天の霹靂とは

20年以上の長きに渡り「おしどり夫婦」とご近所でも評判のお二人が初めて味わう「青天の霹靂」とも言うべき調査結果が現実のものとなる。

週末の土曜日には日曜日にコースをまわる都合上、午後から夕方にかけて「ゴルフ練習場」に出掛ける事が多い御主人を追跡尾行する事となった。

閑静な住宅街に在する自宅のガレージから愛車のトヨタクラウンハイブリットが出庫する。

搭乗者は無論、御主人ただひとり。

環八を北上し練馬方面に走行、依頼者情報にあるゴルフ練習場方面に向かうかに思ったその時、ハザードを出して路上に停車する対象者運転のクラウン。

辺りには目新しいオートロックマンションが数軒あるが、停車した車内では携帯電話で何者かと通話する御主人の様子以外にしばらく動きは無い。

クラウンが環八路上に停車してから15分後、停車した真横に在するオートロックマンションより40代の美しい女性がゴルフウェアー姿で車輌に近づいていく。

女性は笑顔で手を振る。運転席から下車した御主人はトランクに女性愛用のゴルフバッグを積み込み、助手席のドアをエスコートして開く。美しい40代女性はクラウンに乗車する。

二人の行動はごく普通に流れる様な慣れた動きであり「昨日今日のお付き合いではない」ことが想定される。

二人が乗ったクラウンハイブリットは練馬インターから程近いゴルフ練習場の駐車場に滑り込む。勿論、二人はゴルフ練習を1時間30分ほど行い、車は再び女性の自宅マンション近くに向かう。

コインパーキングにクラウンを駐車し、女性のゴルフバッグを持ちマンション内に入る御主人と美人女性。

御依頼者に簡単な状況報告の連絡を行い、御主人が昼食を済ませてから外出したかを念のため依頼者に伺う。食事はしていない事実を確認し、直ぐさま外出も視野に入れてマンションを張り込む。

結果を申し上げれば、その後、二人は外出する事無く夕方まで4時間を女性自宅と思われるマンションで過ごした後、御主人は単身クラウンで帰宅した。

この事実を知った依頼者である奥様は、数回にわたりゴルフ予定日に合わせた浮気調査を継続的に実施し「浮気の動かぬ証拠」を入手するのだった。